A.P.C.アーペーセーはJUNグループから離れ株式会社LOOKへ。デザイナージャントゥイトゥーが目指すA.P.C.とは?
A.P.C.の国内販売の歴史を追う
フレンチカジュアルと生デニムで人気のA.P.C.。
本ブログでも何度か触れているブランド。下記記事未読の方は是非まず参考ください。
さて、このA.P.C.、日本ではどのように販売されているのか?
まずA.P.C.はデザイナー「ジャン・トゥイトゥー」氏によって創設。1987年にメンズ、1988年にレディースをお披露目している。
ベーシックなフレンチカジュアルを基軸としたブランド。
ステンカラーコートや生デニムなど品のある都会的なアイテムが人気を博していた。
90年代にかけて日本でも大ブームが起こり、当時「A.P.C.=オシャレ」という縮図があった。
また通信販売を先駆けて行ったブランドとしても有名。
10年以上前から「カタログを顧客に配り、電話や手紙で注文を受ける」ということを率先して行っており、インターネットは当然その時代無いものの、今では当たり前となっている通信販売のパイオニアとも言えるだろう。
私は中学生の頃にA.P.C.の存在を知り、そのシンプルで洗練された大人っぽさに感動し、すぐさまカタログを取り寄せました。(確か無料か数百円くらいだったかと思います。)
そのカタログに載っていた一番安いネクタイを注文した記憶があります。今考えると「A.P.C.ならなんでもいい」というミーハー根性でしたね(笑)
さて、そんなA.P.C.。
日本での販売はJUNグループに頼りっきり。今思うとあのカタログ販売もJUNグループの販売手法だったのかもしれない。
JUNグループは日本のアパレルを長年引っ張ってきたトップランナー。
しかし「デザイナーズ」という意味ではなく、あくまで「マス(大衆)向け」。
誰もが手に取りやすく、誰もが着れるような、ユニクロ的な考え方がやや強めなメーカー。
2006年にはそのあたりの考え方の違いもあってか、ジャントゥイトゥー氏と仲違い。
今ではこれまた大手である株式会社LOOKがA.P.C.の日本国内代理店として販売を担当している。
JUNグループはさぞかし今の流行を見て悔しい思いをしているだろう。
長年メンズブランドとして機能してきたJUNMENのブランド閉鎖などもあり、JUNグループは良い印象が無い様にも思う。
トップランナーとして頑張ってきた時代を思い出し、是非奮い立ってほしいものだ。
スタンダード化による無個性な印象
私感だが、株式会社LOOKになってからは今までよりも更にスタンダード化が進んでいるように思う。デニムは相変わらず素晴らしい出来だが、トップスは無個性なものばかりで、「これはA.P.C.か?アニエスベーか?マーガレットハウエルか?」と個性がない。見分けがつかない。
フレンチカジュアルの王道として君臨してきたブランドだから、スタンダードにこだわるのは理解できるが・・・。都内直営店の前で「A.P.C.ってどんなブランドなの?」「え?フランスのユニクロだよ。」というカップルの会話が聞こえてきた時には心底泣けた。90年代のトップブランドだったあのA.P.C.も、今の若い世代には「ファストファッション」の様に見えるのだろうか・・・。
デニムはともかく、トップスのデザインはもう少し頑張って頂きたいものである。