n(n) BY NUMBER(N)INE(ナンバーナイン)は一体どこへ?宮下貴裕不在のブランドのデザインは?品質は?
96年のデビュー以来、市場を席巻したナンバーナイン
宮下貴裕がデザイナーをつとめた日本のカジュアルブランドnumber(n)ine(ナンバーナイン)。
1996年のブランド発表以降ストリートを席巻し、多くの若者を虜にした。「ロックスタイル」がまだ一般的ではない中、それを大きく打ち出しており、ボロボロにクラッシュしたTシャツや派手にリメイクしたデニムなど、デコンストラクション(脱構築的)なアプローチで注目を集めた。
東京コレクションからパリコレクションへと進出。世界的にも大きな評価を得て、UNDERCOVER(アンダーカバー)などと合わせて日本のニューファッションリーダーとしてもてはやされた。
そんな宮下貴裕は人気も健在であった2009年に突然ブランドを脱退/解散。(解散の理由は色々と噂されているものの公式見解は特に無い。)その後「ソロイスト」という自身のブランドを設立し、様々な活動を行っている。
宮下不在のナンバーナインはいかなるものか
肝心なのは宮下貴裕不在のナンバーナインが存在することだ。
解散後に有限会社クークスが新体制でブランドを運営するという旨を発表。経営陣も一新し、もちろん宮下貴裕もデザインには一切関与しない、全く新しいブランドとしてナンバーナインは再スタートを切った。
再スタートを切ったのは良いが、
発表されるのは宮下貴裕時代のアーカイブコレクションばかり。
当時爆発的に売れたTシャツを再現したり、デニムを再現したり、チェックシャツを再現したり・・・となかなかに節操が無い。
私の周りにも当時のファンがいるが、
「新しいナンバーナインはナンバーナインじゃない。」
「安っぽい素材で安っぽい復刻ばかり。絶対に買わない。」
とやや興奮気味に語る事も。
「ダサイブランドだ!」などとは全く思わないが、
確かに当時のファンからすると納得いかないところは多々あるだろう。
デザイナー交代劇などはブランドを運営していくと必ず出てくるところではあるが、
デザイナーどころか経営陣も全く新しくなったにもかかわらず、
過去のアーカイブを多くリリースするというのはなかなかに珍しい。
ラインナップの中には着やすく合わせやすいものも多数存在する。
アーカイブなどに頼らず、地力のデザインを打ち出せば良いのに・・とも思うのだが。ブランド側の動きやいかに・・・。